裏切り

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「おい、コック」 「なんだい?」 青い髪をした優しそうな面影のコック。KAITOだ。 いかにもヘタレのようなこの表情。召使にもメイドにも馬鹿にされる可哀想な人である。 「材料になれ」 ピシリ、とKAITOの表情が凍った。レンの言葉に違和感があったからだ。 いつもなら “料理を作れ” なのだが、今日の言葉は “材料になれ” 「ど…どういうこ…と?」 『裏切り者には、報いを受けていただきましょう』 思い切り腕を掴まれKAITOは身動きを取れなくなる。 子供2人相手に大人の青年が負けるというのはなんともマヌケな話だ。 「ひぃっ…ぎゃあっ」 ブチリ、と不快な音が鳴る。 KAITOの右腕は大きな鉈によってぶつ切りにされていた。 「やっぱ冷凍保存しておくべきだったかなぁ?」 返り血を浴びた召使はケタケタと笑いながら鉈を振りかぶる。 「やぁねレン、料理の材料は活きが良いのが一番美味しいのよ!」 「や…やめ…やめ、ぎゃああっ」 問答無用で鉈がKAITOの頭に直撃した。
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