26人が本棚に入れています
本棚に追加
「おい、コック」
「なんだい?」
青い髪をした優しそうな面影のコック。KAITOだ。
いかにもヘタレのようなこの表情。召使にもメイドにも馬鹿にされる可哀想な人である。
「材料になれ」
ピシリ、とKAITOの表情が凍った。レンの言葉に違和感があったからだ。
いつもなら
“料理を作れ”
なのだが、今日の言葉は
“材料になれ”
「ど…どういうこ…と?」
『裏切り者には、報いを受けていただきましょう』
思い切り腕を掴まれKAITOは身動きを取れなくなる。
子供2人相手に大人の青年が負けるというのはなんともマヌケな話だ。
「ひぃっ…ぎゃあっ」
ブチリ、と不快な音が鳴る。
KAITOの右腕は大きな鉈によってぶつ切りにされていた。
「やっぱ冷凍保存しておくべきだったかなぁ?」
返り血を浴びた召使はケタケタと笑いながら鉈を振りかぶる。
「やぁねレン、料理の材料は活きが良いのが一番美味しいのよ!」
「や…やめ…やめ、ぎゃああっ」
問答無用で鉈がKAITOの頭に直撃した。
最初のコメントを投稿しよう!