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「コックは、どこかでサボってるんじゃないですかぁ?」
メイドは皮肉を混ぜた言い方で欺いた。はずだった。
「これ、人肉よね?」
召使とメイドの顔が引きつる。バレた。
コックを使って料理したことが。
「な、に言ってるんですか?それは最高級の牛肉。人肉だなんて人聞きの悪い!」
メイドは焦る。なんとかその場しのぎで言葉を継ぎ足していく。
だが召使の一言で台無しになる。
「お気に召していただけましたか?」
「ちょっ…レン…!!」
あまりにも唐突な答えに、MEIKOは含み笑いをした。後にそれは高笑いとなって屋敷に響き渡る。窓ガラスがひしひしと揺れるのがわかった。
「そうか、これが世に聞く人肉か。どうりで塩辛く酸っぱいわけだ。人の肉すら料理するとは恐ろしい奴らだわ」
MEIKOは恐れる素振りを見せず、ただ高らかと笑っている。
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