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「そろそろ夕食の時間です。休憩なさいますか?」
「私を誰だと思っているの?」
2人は息を合わせて言った。
『偉大なる、コンチータ様です。わかりました。すぐご用意させます』
召使とメイドは、カツカツと大理石の床を早足で歩いていく。キッチンでシェフの悲鳴が軽く聞こえた。
いつもの事だ。この館のシェフは、一年に何十人もの人が出たり入ったりしている。ある者は金が良いからと軽い気持ちで入ったもの。ある者は自分を一人前だとアピールするために来るもの。
馬鹿馬鹿しい。地位だの名誉だの。そんなの私にとってはどうでも良いというのに。
ただ料理を作ってくれればいいのだ。
そう、ただ料理をね…。クスクスクス…。
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