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その時
カシャッ
とカメラの音が聞こえた
びっくりして一瞬にして涙はひっこんだ
「誰!!!」
「ごめんごめん
いや~えらいべっぴんさんがいてたから思わずシャッターきってしまった
驚かすつもりはなかったんやけど…」
栗色の髪の毛が風に揺られサラサラ揺れる
彼の顔立ちは美少年と言っても過言ではない程整っている
彼は私が座っている隣にドカッと腰をおろした
「この学校にはまだ美女がおったんやな
あの美人で有名なマドカはどうもいけすかん
だから撮りたいと思えへん
けどなんでかあんたは撮りたい衝動にかられるわ」
満面の笑みでそう話す関西弁の彼
私は
「そうですか…」
としか言い様がない
「つれへんなぁ。
俺は1-F 佐々木 龍之介や
気軽に龍ちゃんってよんでなぁ
んであんたの名前は??」
「レイ…」
「レイちゃんか…いい名前や
俺あんたに惚れた!!
俺の写真のモデルになってくれ!!」
いきなり両手を握られ
お願いされた
だけど私は目立ちたくない
「お断りします」
「なんでや!!
俺あんたを撮れるならなんでもするから」
「では、私を見つけだして下さい
見つけられた時はあなたのモデルになります」
「そんなんすぐ見つかるやろ
そんな美人で目立つのに」
「さぁ、それはどうでしょう??とりあえず今日の放課後からゲームスタートです
では、また」
私は立ち上がり校舎の方にむかって歩きだした
すると
龍之介が後ろから叫んだ
「絶対にすぐ見つけたるからなぁ!!」
見つけられる訳がない
本当の私なんて誰も知らないのだから…
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