バーカ

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「……稜駿、あんた本間にバカやなぁ。 この前話したばっかりやん。『将来何になりたい?』って。 あたしは歌手で、稜駿は俳優。でも一番の夢は『2人でにぎやかな家族を作る事』って言ったやん。 稜駿が死んだら、もう無理やし。叶わんようになってもたやん。 しかも、ただ車の不注意で事故にあったって? 何そのしょーもない死に方! 稜駿のうっかりミスやったらそこまで思わんかったのに、あんたに何も悪いとこなかったらどないしようもないやん。 ただ車運転しとった人を恨むしか出来ひんし! 稜駿、どんだけバカやねん!」 「…………」 「バカ………本間に、バカ」 涙が邪魔をしてきて、何を言おうとしても「バカ」って絶対言ってまう。 死に方までもが稜駿らしくて、それに笑えたり怒ったり、 涙がぼろぼろこぼれたりした。 .
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