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と、部屋の外からいくつかの足音が聞こえてきた。
あたしもやっぱりあたしらしくて、泣き顔を見られたくないから無理矢理涙を引っ込めた。
泣いとった面影がなくなった瞬間、部屋に稜駿の親が入ってきた。
「菜々香ちゃん、そろそろ…………」
稜駿の親が言おうとしとる事が分かって、返事をして一緒に部屋を出ようとした。
その時、思い出して足を止める。
「すいません、先行っててもらえますか?後で行きますから」
扉が閉まったのを確認してから、あたしはもう一度稜駿の近くへ行く。
「なあ、稜駿。あんたの事やから、どうせ今ごろは天国で友達作っとるやろ?
そこで新しい彼女を作っても、あたしは怒らへんで。
ただ、稜駿に一つ言いたい事があるねん」
あたしはいつもの笑顔で言ってやった。
「稜駿のバーカ。
でも、
そんな稜駿が大好き」
END
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