110人が本棚に入れています
本棚に追加
《寿々歌side》
ウチの、大好きな人。
ウチのことが、大好きな人。
いわゆる恋人が、急に遠いところへ旅立った。
その知らせを受けたのは、1時間目の国語の時間。
なんかおかしかった。
いっつも遅いけど、遅刻の2、3分前には絶対来るのに。
みんなが普通に授業を受けるなか、ウチだけ隣の空いた席を見つめた。
なぜか、嫌な予感しかしなかったんだ。
ウチの大好きな村田先生が話していたら、突然ドアが開いた。
「寿々歌………!」
名前を呼んだのは、ずっと待ってた人じゃなかった。
みんなのお兄ちゃん的存在である昌樹が、息切れしながらウチに近づいてくる。
「崚行が………っ、」
ウチの嫌な予感は、おもいっきり当たってしまった。
“大型トラックに引かれた………”
.
最初のコメントを投稿しよう!