許す。

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《寿々歌side》 ウチの、大好きな人。 ウチのことが、大好きな人。 いわゆる恋人が、急に遠いところへ旅立った。 その知らせを受けたのは、1時間目の国語の時間。 なんかおかしかった。 いっつも遅いけど、遅刻の2、3分前には絶対来るのに。 みんなが普通に授業を受けるなか、ウチだけ隣の空いた席を見つめた。 なぜか、嫌な予感しかしなかったんだ。 ウチの大好きな村田先生が話していたら、突然ドアが開いた。 「寿々歌………!」 名前を呼んだのは、ずっと待ってた人じゃなかった。 みんなのお兄ちゃん的存在である昌樹が、息切れしながらウチに近づいてくる。 「崚行が………っ、」 ウチの嫌な予感は、おもいっきり当たってしまった。 “大型トラックに引かれた………” .
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