ありえないヤツら

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あっという間に一日が過ぎ、学校に登校する朝になった。 昨日は一日中、近所を探索して、どこにスーパーがあるとかコンビニだとかファミレスとか見つけて楽しんだ。 そのおかげで寝付くのも早くて、眼が覚めたときは時計はまだ5時過ぎをさしていた。 のんびり用意をしたつもりだったが、時間が余る。 することもないので、とにかく学校に向かうことにした。 初めて電車に乗ったが、先ほど駅員さんに詳しく降りる駅の出入口の番号まで聞いたので、迷うことなく学校に着いた。 途中で高級車の行き交う多さに不信に思っていたが、学校に着いてやっと理解した。 生徒の送迎だ。 (…さすがお金持ちが通う学校だな…) 詩織はイタリアでもバス通学をしていた。 朝の友達との他愛もないお喋りが好きだったから。 (…危険を回避するためでもあるだろうけど、私にとっては邪魔) 資産家の家に生まれた場合、誘拐や拉致なんてよくあることだ。 現に詩織も何度か連れさらわれそうになったことはある。 5年ほどはSPがついていたが、その後は自分の身は自分で守れるようになったので、普段は必要ないと御祖母様に申し出た。
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