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…やっと男子生徒の方が詩織に眼をやる。
「…ッ!?」
太ももを触っていた手が動きを止めた。
それでも女の子の方は、詩織に気付いていないのか止めようとせず、首筋にキスをしている。
…言葉がでない。
呆然と立ち尽くしてしまい、ドアを閉めることすら出来ないでいた。
男子生徒は、女の子を引き離す。
その時、はだけた胸がチラリと見え、詩織の顔が一瞬にして赤くなった。
「…おい、お前…」男子生徒の声で我に返り、やっと口が開いた。
「…ご、ごめんなさいっ!!」
勢いよくドアを閉め、振り向きもせず走って逃げた。
男子生徒がドアから出てきて
「待て!」
と叫んでいたが、無視してとにかく走った。
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