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そんな他人の行為なんて見たくない。
頭の中から消し去りたい。
あの場から逃げ出し、俯きながら猛ダッシュしていると、何か…誰かにおもいっきりぶつかった。
「…痛っ!………す、すみませんっ!!」
パッと顔を上げると、唇が見える。
さっきのキスシーンが蘇る。
「…こういうの悪くないけど、出来れば僕の方が上がいいですね」
ニヤリと口元が笑い、詩織の腰をグッと引き寄せた。
「…?……きゃあっ、ごめんなさいっ!!」
詩織が押し倒し跨がる格好になっていたからだ。
しかも相手は男子生徒だったために、かなりいやらしい体勢。
離れようとするが、腰を引き寄せられているので動けない。
「離してっ!」
「どうして?君から誘ったのに?」
フフッと笑う顔には面白がっているのがわかった。
「…ところで、何処に行こうとしてたの?」
言われて気付いた。
「…ハッ、そうだ!
校長室に行かないといけなくて……っていうか、いい加減に離してくださいっ」
「…仕方ないな。せっかくこのまま持ち帰ろうと思ったのに……」
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