ありえないヤツら

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あんな事をされたが、他に頼れる人もいなかったし、彼は今は詩織の横を歩いているので、手は出してこないだろうと判断した。 (…万が一、何かしてきそうなら…御祖母様との約束は守れそうにないな…) イタリアでは、身を護るために合気道や空手、柔道も習った。 それがかなりの強さで、大の男が4.5人掛かってこようが一度も負けたことはない。 街を歩いているとよく絡まれ、危機回避のために使っていた。 それで御祖母様に叱られる。 SPが遠くから見張っていたのは知っていたが、駆け付けるよりも先に倒してしまう。 御祖母様いわく、詩織は『おてんば』だそう。 女性としての魅力に欠けてしまっている詩織としては、御祖母様との約束通り技を使わないほうが得策だが、彼は何をするかわからない。 緊張感を保ったまま、隣を歩いた。 「…君さぁ、ガード堅すぎ。 もう何もしないから普通にしてよ?」 少し困った顔で笑う。 詩織はそんなに警戒心剥き出しにしていたのか、と両手で頬を押さえた。
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