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-あれから一週間が立ち、本当に日本に送り出された。
送り出した張本人は大泣きだった。
…だったら行かさなければ良かったのに…
御祖母様には事の真意を日を改めて聞いた。
「あなたの母国で、此処より治安はいいでしょう?」
…すみません、事件ばかり起こして
「詩織には、後悔しない人生を送ってほしいから…
高校を卒業するまでは、日本で色々と学びなさい」
これ以上、何を学べというのか…
今まで詩織は、学問も運動も礼儀作法までも全て卒なくこなして、教育係を唸らせてきた。
「私があなたを離したくなくて、今まで引き留めてしまったもの。
…それに、もうここで学べることはないわ。…そうでしょう?」
最後は寂しく呟くようにぽつりと言う。
何を学べばいいのかよくわからないが、御祖母様のことだ。
考えあっての事なのだろう。
…仕方ない、頑張りますかぁ~
飛行機に十何時間も乗っていたせいで身体が怠い。
大きく背伸びをして、10年振りの日本の空気を深く吸った。
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