知られてはいけない事

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…駄目だ、時差ぼけで頭がまわらない。 部屋に着いたら荷物も整理しなきゃいけないし、大問題はそのうちまた考えるということで。 面倒臭いので、先延ばしにしておく。 幾ら考えても相手あってのことだし、今はまだそんな気になれない。 -運転手さんは、あれだけジロジロ見てたわりに親切で、 やはり観光客と勘違いしたらしく、流れていく景色を指差しながら色々と説明してくれた。 ボーッとしてしまっている頭には何一つ入らなかったけど。 お心遣いありがとうございました、とだけ言ってお金を払い、タクシーから降りた。 今日から住む我が家のあるマンションを見上げる。 丁度、マンションからは家族連れが出て来るのが見えた。 3LDKだから詩織一人で住むには広すぎるし、何しろ普通に女の子一人で住んでいいものなのかどうなのか… …これじゃあ、バレるかも? 明後日から通う学校は、超が付くほどのお金持ちしか入れない名門校 詩織はそんな学校に特待生として行くのだ。 やはり、一人で日本に行かせるには心配だったのだろう。 御祖母様は出来る限りの事をしてくれたのだ。
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