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安全性でこのマンションも選んだに違いない。
24時間管理で警備員が何人か常駐している。
…御祖母様、やりすぎ
とにかく、頭の重い詩織は少し休みたかったから、入口で立っていた警備員に声を掛け、キーを貰うことにする。
詩織の顔写真は契約書と一緒に送っていたので、
難無く渡された。
だが警備室から何人も警備員が出てきて、代わる代わる挨拶をしてきた。
…覚えられません
取り合えず笑顔で交わし、部屋まで案内するというので仕方なく玄関前まで連れて行ってもらい、お礼をしてすぐに部屋に入った。
「おっじゃましまぁ~す♪」
返事があるはずがないのに、靴を脱ぎながらつい口に出た。
部屋の中に入ると、そこになければならないダンボール箱が一つもない。
「…?」
キョロキョロと辺りを見渡し、すべてあるべき場所に整理されていることに気付いた。
…御祖母様?本当に心配しすぎです
疲れていた詩織は、そのままソファーにダイブして朝まで起きることはなかった。
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