知られてはいけない事

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「痛っ…」 腰の痛みで眼が覚めた。 どうやら、寝返りをうってソファーから落ちてしまったらしい。 「…何処だっけ?ここ…」 まだ寝ぼけている。 口に出した疑問はイタリア語だ。 眼を擦りながら辺りを見回し、頭の中が少しづつ目覚めてきたようだ。 「…あ~、日本に来たんだっけ…」 (確か、部屋に着いてすぐ、荷物が全て片付けられてたのでソファーに寝転がったんだ……そのまま朝まで寝てしまったということか……) ぶつけた腰を摩りながら、キッチンのほうに向かう。 どこの扉を開けても、きちんと食器やキッチン用品が直されていた。 冷蔵庫の中は、ミネラルウォーターが1本だけ寂しく入っている。 仕方がないのでそれを取り出し、飲みながら部屋の探索をすることにした。 どの部屋にも、御祖母様が好む高そうな調度品は置いていない。 シンプルに詩織の好む仕様になっている。 クローゼットの引き出しを開けてみた。 下着が取り出しやすいように綺麗に入っていた。 (…小林さんだ。しなくていいと言ったのに…) フゥーッ、と溜め息をつく。
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