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目を閉じると波の音が鼓膜を包んだ。
心安らぐこの音は私のお気に入りの音の一つだ。
でも今回は少し違う。
「平家っ!!覚悟しろ!」
後ろを振り向くと、離れた場所に地面がある。
その上には数え切れないほどの源氏の兵士が浜辺を覆い尽くしていた。
源氏が叫んでいるのがとても耳障りだ。
もう最後の時を迎えようとしているのに・・・
静かに迎えさせてはくれないようだ。
足元に目を落とす。
あと一歩踏み出せば、先は真っ青な海が待っている。
あと一歩・・・
あと一歩で・・・・・・
家族の皆と同じ極楽へ逝けるだろう。
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