誰かに切られた

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誰かに切られた

その翌朝のこと。 「イテッ」 目を覚ますと、右の太ももに何かで切ったような縦の傷が無数にあった。 かきむしった痕のようにも見えた。 (よっぽどかゆかったのかな?) と一瞬思った。 しかし、それは鋭利な刃物で何度も切ったあとだった。 ベッドの下に、血の付いた剃刀が転がっていて、 布団は血だらけだった。 お母さんにバレたら怒られる… 私は布団に付いた血を濡れたタオルでトントンとたたきながら拭いた。
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