ヒーローはだいたい苦戦する

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もう20分近くトイレに居る。 余裕だったはずが、このままじゃ学校に間に合う最後の地下鉄に確実に乗り遅れる。 「くっそ!!」 下痢だけに?というギャグでは決してない。 見切り発車的に尻を拭いてトイレから飛び出す。 遅刻すると、かなり面倒くさい事になるだろう。 運動不足の身体に鞭打ち、猛ダッシュする。 「間に合えっ!」 角を曲がり、エスカレーターを駆け降りる。おじさんが迷惑そうに見るが気にしない。 7時47分。何とか間に合いそうだ。 「ハァ、ハァ、アハァ、ンフゥ、 セ、セーフ……ってあれ?」 変態のような喘ぎ声を上げて、 息も絶え絶えにホームに駆け込むと、そこには黒山の人だかりが出来ていた。
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