ヒーローはだいたい苦戦する

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怖いのか、それともやっぱり面倒事に巻き込まれたくないのか、一人も助けに行こうとする人は居ない。 それどころか面白がって写メを撮ってる奴までいる。 俺の中に義憤めいた感情が沸き上がった。 こいつらは一体何なんだ? どうして誰も男を取り押さえたりしようとしないのか。 正義の心とかは無いのか。 数秒後に自分もその群衆の一人だということに気付く。 俺があの女性を助ける…… ……やっぱ無理だ。俺の細腕じゃまずあの男には勝てないだろう。 女の悲痛な声がホームに響く。 やっぱり助けたい。 誰か、この状況を救える人は…… 「誰か……」 「誰か助けてくださあああああい!!」 思わず俺がそう叫んだ瞬間、 突然目の前が真っ白になった。 「待てェェェい!!」
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