ヒーローはだいたい苦戦する

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痛いほどの沈黙が広がった。 というより、痛い。視線が。 心なしか駅のホームの気温が2、3度くらい下がった気がする。 (何言ってんだ俺ェーーッ!!) もう恥ずかしいというレベルじゃ無い。 あの刃物欲しい、物凄く切腹したい。 「プッ……おいおい、何だあいつ?」 「特撮オタ乙」 そんな呟きが聞こえてくる。 顔からマグマが出そうだ。 (う、動け俺の身体!!) 運動能力の不足で思い通りに身体が動かないことはザラだが…… そして俺の思いとは裏腹にまた俺はあらぬ事を口走りだす。 「ハッハッハ、どうした、恐怖で声も出せぬか!」 俺を含めたその場の人間は全員内心で「違う、バカ、死ね。」と突っ込んだ。
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