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落ち着け、いやもちつけ、筋肉対話なんかするキャラじゃなかっただろ俺は……
なかや○きんに君じゃあるまいし……
「チィッ」
男は舌打ちすると俺を無視してなんと群衆の方に向かって刃物を振りかざしながら襲い掛かった。
危ない!!
『ジャイロロケットストリィーームッ!!』
つりかけた足を無理矢理動かされて、俺は男の背中にこんな名前のごく普通の飛び蹴りを見舞った。
「ぐはっ!」
吹っ飛ばされた拍子に男の手からナイフが弾き飛ばされる。
それを近くのサラリーマンのおじさんが素早く線路に放り込む。
ナイス! これで安全確保だ。
「てめえ……」
こんな弱そうなオタク少年にやられっぱなしの男はすっかり逆上している。
武器を失った男は俺に殴りかかってくる。
……ちょっと楽しくなってきた!
俺強くね?そんなパンチ当たる訳が──
あれ、動かない。避けないの?
その時俺の中のバカが呟いた。
「……あれ、動かなくなっちゃった、コントローラーかな?」
え、俺コントローラーで操作されてんの?
……あっ、
バキッ
嫌な音と共に男の拳が俺の顔面に食い込んだ。
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