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「おっはよー」
いつも通り軽く母親にあいさつしてソファーに体を沈め、ぼんやりと朝のニュースを観た。
『──佐賀県境の山中に落ちたとされる謎の光の正体ですが、天文台によると昨夜は流星は観測されておらず、専門家は首をかしげており──』
下に、『脊振山中に謎の飛行物体墜落!UFOか!?』とテロップがある。
朝っぱらから結構なことだ。
……UFOね。
いるなら是非俺をキャトルミュートレーションして二次元に連れていってもらいたいものだ。
俺はそんなことをうすぼんやりした大脳で考えながらあくびを一つした。
……やっぱり眠い。
「シャキっとせんかいボンクラ息子」
母親は台所でさっさと弁当を作っていた。
「あんた早よせんと……って、
うん?」
突然、母親が目を見開いて俺を凝視した。
あれ、何かしたっけ?
あるいは何か起こったか。
まさか!俺は既に宇宙人の手によって人体改造が施され、信じられないほどの美少年に──?
しばし間があってから、母は俺の寝間着の白濁した粘着物を指差してため息をついて、
「……アンタねえ、自家発電したらちゃんと後始末しとき」
「違げェェェ!!」
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