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また、此処からも何気ない日々多くのモノを教え、授け、満たしてくれるだろう。そんな予感がシオの中で数多に咲き乱れる。匂い立つ芳香がシオの心臓を熱くたぎらせる。
明日はどんな日なんだろう。頭の中のスケジュールが埋まるのが堪らなく、今は楽しい。
(あ…そっか。)
シオが思い立った時、漸く呼び覚まされた眠気が思考を霞ませていた。
(ワクワクしてるん…だから…眠れ…ないのか。)
スースーと、微かな寝息が零れる頃には、シオは夢の世界に落ちていた。
夜は静やかに帳を一層広げ、しばし世界を眠りの淵に沈めた。
数時間後、帳は破られる。赤々と陽が空を焼き払い、澄んだ青空を跡に残した。
点々と雲が集い、青空を思いの向くまま泳いでいる。
そんな、爽やかな朝になった。
そして世界は目覚める。
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