1.眠れない夜

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また、此処からも何気ない日々多くのモノを教え、授け、満たしてくれるだろう。そんな予感がシオの中で数多に咲き乱れる。匂い立つ芳香がシオの心臓を熱くたぎらせる。 明日はどんな日なんだろう。頭の中のスケジュールが埋まるのが堪らなく、今は楽しい。 (あ…そっか。) シオが思い立った時、漸く呼び覚まされた眠気が思考を霞ませていた。 (ワクワクしてるん…だから…眠れ…ないのか。) スースーと、微かな寝息が零れる頃には、シオは夢の世界に落ちていた。 夜は静やかに帳を一層広げ、しばし世界を眠りの淵に沈めた。 数時間後、帳は破られる。赤々と陽が空を焼き払い、澄んだ青空を跡に残した。 点々と雲が集い、青空を思いの向くまま泳いでいる。 そんな、爽やかな朝になった。 そして世界は目覚める。
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