「彼女」

2/4
前へ
/80ページ
次へ
それはいつからそこにあったのか。  それはいつからここにあるのか。  それはいつできたのか。  それはなんのためにあるのか。  それはなのためにつくられたのか。  それはなんのためにできたのか。    否。  それら全ては否定されることになる。  完膚無きまでに。  あるいは、跡形も無く。  そこには無だけが残る。 何も無く。最初からそうであったかのように。 いや。もしかしたら、もうすでに始まっているのかもしれない。 それを捉えることは、赤ん坊を捉まえるより簡単で、鷹を素手で捕まえることより難しい。 だが、それはやってくる。 誰にも気づかれず。誰にも認識されず。
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加