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「えっ?……色んな物を貰ってばっかりで申し訳ない気持ちになるんですが……良いんですか?」
「良いのよ。別に私の気まぐれであげてんだから安心して貰っておきなさい。……けど無くしたら承知しないわよ?」
「ええ。分かってますよ。……でもなんで会ったばかりの俺にここまでしてくれるんです?別に放っておけば良いのに。」
「……分からないのよ。私も。」
「……?」
胸に両手を添え、御坂さんは俯く。俯いていてこちらからは表情が分からない。
「アンタの事を見てると放っておけなかったのよ。……なんでかしらね?」
「……当麻さんが好きだから?」
「なっ!?な…ななな、なんで…あ、アイ…アイツがす、好きなことがアンタを放っておけない理由になるのよっ!そもそもあんなヤツなんか好きじゃないし!!」
「……もし違う世界でもう少し早く出会っていれば、俺も当麻さん逹と笑いあったり出来たのかな?」
「えっ?」
御坂さんに聞こえることを気にせず、無意識にそんなことを呟いていた。しかし直ぐに意識を取り戻し、首を小さく左右に振る。
「なんでもないですよ、御坂さん。ただの独り言です」
「そう?まあいいけど。……それでさ…もうちょっと話していかない?」
「『つんでれ』…ですか?」
「な…な、なによ、私はツンデレなんかじゃない!しかも、た、ただ話をしたいと思っただけよ!別に良いでしょ?」
「良いんじゃ―――――」
良いんじゃないんですか?――と言おうとした所でただならぬ殺気を後ろから感じ、俺は咄嗟に御坂さんと共にしゃがむ。
咄嗟にだったので御坂さんを抱き寄せるようになってしまったが。
すると黒子さんが俺と御坂さんの頭上を凄い勢いで越えていった。しかし、突然俺の視界から黒子さんが消える。俺は御坂さんを抱き寄せたまま立ち上がる。そして、誰もいない筈の右の方に話しかけた。
「なにやってんですか…黒子さん」
「何やっているって…お姉様の害虫駆除ですわ」
「害虫駆除?……害虫なんでいませんが……」
「アナタですよ!私のお姉様を抱き寄せるなんて言語道断ですわっ!!やはり、あそこにいる殿方と変わらないようですわね」
「はあ……」
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