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飛び出してきたのはいいけど…。
財布忘れた…。
それに、すっげぇ雨雲。
こりゃ絶対夕立くるな。
そんなこと考えながら俺は、スーパーの裏にある公園のブランコに揺られていた。
バカ!!俺のアホ!
どーすんだよ、今家帰ったらなんか恥ずいじゃん!!
テストの話反らしたのバレバレじゃん(泣)
「どーすっかなぁ…。」
『おい、忘れもん』
無愛想すぎる、低い声が頭上から降りてきた。
バッ!と顔をあげると、そこには男なのに綺麗すぎる顔が俺を冷たい目で睨んでいた。
不覚にも、見とれてしまった。
てか、あれ?
なんで、伊月がいるんだ!?
『おい、聞いてんのか』
「う、うわぁぁぁあ!!…」
ガタンッ
大きな音をたてて、尻餅をつく。
ブランコはギィギィ錆びた音を響かせ、大きく前後していた。
びっくりした…
顔…近づけてくるから…。
「な、なんだよっ!なんでお前がこんなとこに…!」
『忘れもんだと言ったはずたが。何度も言わせるな。』
そういうと、伊月さんは俺を見下しながら財布をその場に落として公園を出ていこうとした。
「てか、あれ…?なんで財布忘れたこと…」
『拓海にたのまれた。ここにいるだろうから、渡してくれって。』
兄ちゃんが…?
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