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山本君か…
すごくいい人そうだったな。
始めにメアドを聞かれたときは少しびっくりしたけど、顔を少しだけ見たら、真っ赤になっててきっと緊張してるんだなって思った。
別に悪いことに使われることもないだろうし、何より早く少しでも多くの友達が欲しかった。
あたし、前より少しだけ悪い子になった。
でも心細くないっていったら嘘になるし…
ゆいこはそんなことを考えながら、自分が降りる駅の一つ手前で降りた。
そしたらもう先に着いている人がいた。
「ゆいこ!」
「瑠璃っ!おとといぶりっ!」
「入学式どーだった?」
「思ってた以上に緊張はしなかったよ。友達も出来た!」
「おっ!早いじゃん。つかもうマック行かね?みんな駅前いなきゃマックってわかってるだろうしさっ!」
そういうと瑠璃はすたすたと歩き始めたのでゆいこも後を追った。
「そういえばマサくんは?」
「あっ!真人置いてきちゃった!」
「あぁ。もう瑠璃たらっ。」
「いや、あいつ来るって、今日またウチらに会えんの昨日楽しみにしてたしっ!」
「そっか瑠璃たちは昨日だもんね。一緒のクラス?」
「隣。」
「そっかぁ。残念だね…」
「別にいいって、おっ!あそこいい感じに空いてんじゃん。」
話している間にいつのまにかマックについてしまった。
ゆいこと瑠璃は適当に席をとって話を続ける。
「なずなはいつ来るの?」
「もうすぐじゃん?つかあんたはなずなより龍でしょう?」
そういうと瑠璃はゆいこを軽くどついた。
「もうっ!おちょくらないでよっ!」
「へんっ!うちらがどんなに協力してあげたことか…」
「だからそのことはありがとうって思ってるよ…」
そういうとゆいこは少しもじもじした。その仕草を瑠璃は見逃さない。
「どーかなー?何かあるたんびに龍くんが龍くんがって言ってたくせにぃ~。」
「バカッ!それはっ…」
「俺がなんだって?」
ゆいこの肩をぽんと叩き、首をにゅいっと出した。
「おう。思ったより早かったじゃん。」
瑠璃が手を挙げて笑った。
「真人となずなはまだか。」
顔をゆいこに向ける。
「ゆいこ…一週間ぶり。」
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