* PIECE1 *

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 山本君か…  すごくいい人そうだったな。  始めにメアドを聞かれたときは少しびっくりしたけど、顔を少しだけ見たら、真っ赤になっててきっと緊張してるんだなって思った。  別に悪いことに使われることもないだろうし、何より早く少しでも多くの友達が欲しかった。  あたし、前より少しだけ悪い子になった。  でも心細くないっていったら嘘になるし…  ゆいこはそんなことを考えながら、自分が降りる駅の一つ手前で降りた。  そしたらもう先に着いている人がいた。 「ゆいこ!」 「瑠璃っ!おとといぶりっ!」 「入学式どーだった?」 「思ってた以上に緊張はしなかったよ。友達も出来た!」 「おっ!早いじゃん。つかもうマック行かね?みんな駅前いなきゃマックってわかってるだろうしさっ!」  そういうと瑠璃はすたすたと歩き始めたのでゆいこも後を追った。 「そういえばマサくんは?」 「あっ!真人置いてきちゃった!」 「あぁ。もう瑠璃たらっ。」 「いや、あいつ来るって、今日またウチらに会えんの昨日楽しみにしてたしっ!」 「そっか瑠璃たちは昨日だもんね。一緒のクラス?」 「隣。」 「そっかぁ。残念だね…」 「別にいいって、おっ!あそこいい感じに空いてんじゃん。」  話している間にいつのまにかマックについてしまった。  ゆいこと瑠璃は適当に席をとって話を続ける。 「なずなはいつ来るの?」 「もうすぐじゃん?つかあんたはなずなより龍でしょう?」 そういうと瑠璃はゆいこを軽くどついた。 「もうっ!おちょくらないでよっ!」 「へんっ!うちらがどんなに協力してあげたことか…」 「だからそのことはありがとうって思ってるよ…」  そういうとゆいこは少しもじもじした。その仕草を瑠璃は見逃さない。 「どーかなー?何かあるたんびに龍くんが龍くんがって言ってたくせにぃ~。」 「バカッ!それはっ…」 「俺がなんだって?」  ゆいこの肩をぽんと叩き、首をにゅいっと出した。 「おう。思ったより早かったじゃん。」  瑠璃が手を挙げて笑った。 「真人となずなはまだか。」  顔をゆいこに向ける。 「ゆいこ…一週間ぶり。」
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