* PIECE2 *

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 龍くん…あたしは大丈夫…だからそんな辛い顔はしないで?  ゆいこがそっと龍を抱き締める。  ごめん…  龍はゆいこをありったけの力で抱き締める…  龍はそんな夢をもう何度も見た。  ゆいこ…  最近、龍が目覚めて最初に思い出すのはゆいこだった。  龍は朝早く起きて、朝食を軽くすませ、バスケの朝練へと急ぐのが日課だった。 「龍ー!」  春休みに部活の練習が始まってから仲良くなった松井は、背がとても高く、バスケもかなりうまかった。 「龍。昨日の貴重な休みはどうお過ごしで?」 「中学の時の仲間とあった。」 「ひゅー!例のかわいい彼女とも?」 「悪いかよ…」 「べっつに~」 「なんだよっ!ニヤニヤすんなよ!」  そういうと龍は松井に飛び乗り髪をぐしゃぐしゃにした。 「うわっ!今日はセットに時間かかったのにっ!龍のバカッ!」 「へんっ!ざまーみろ!」 「この野郎~待てー!」 「石館~松井~練習始まるぞ~!」  キャプテンに声をかけられた龍と松井は、追い駆けっこをしていた足をピタリと止めて、次は集合する為に走った。  ゆいこ…俺…今日も頑張るし、お前も頑張れよ…  龍はゆいこを笑顔を思い出すと、誰にも言っていないあの思いを心のずっと奥のほうにしまった…
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