* PIECE1 *

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 頭上から声が聞こえてゆいこは慌てて顔をあげた。すると目の前に、女の子がちょこんと居た。 「もしかしてこの学校で一人…?」  女の子は首を小さく傾げながら話し掛けた。 「えっ…うっうん。」  ゆいこは腕の中から顔をあげながら答えた。 「やっぱり?ウチもなの~!よかったぁ。ウチ相原菜子。よろしくね!」  菜子はニコニコしながらゆいこを見つめてる。 「あたしは木田ゆいこ。よろしくね。」  ゆいこはなんだか苦しかった胸のつかえがすーっとなくなるような気持ちになった。 「えへへ。さっそくだけどメアド聞いてもいい?」 「もちろん!」  携帯のライトがキラキラと光った。  ぴろぴろりん  受信 相原菜子  この学校で初めての友達。  大事にしたいな… 「新入生は廊下に出席番号一列に並んでください。」  先輩であろう人が教室のドアを開けて呼び掛けた。 「行こう。ゆいこちゃん。」 「ゆいこでいいよ。」 「本当に?ん――?じゃあゆいちゃんて呼んでいい?」 「ゆいちゃん?」 「そう。なんかあだ名のほうが仲良くなった気がしない?」  菜子がそういうとえへへと笑った。小さなえくぼができている。それにきれいに切りそろえられた短い髪が日差しにあたると、キラキラしていて眩しかった。 「わかった。なんか嬉しい。」 「ウチは普通で菜子でいいからね?」 「うん。わかった。」 「ゆいちゃん行こう!」 「まって菜子!」  ゆいこと菜子は並んで教室を出た。  声かけてくれてありがとう。菜子…
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