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「こらっ!春樹!もうお前の番だぞっ!」
ぼーっとおんなじことをずっと考えていたから、すぐに現実に戻ることが出来なかった。そして俺はガタガタと机を揺らしながらゆっくり立ち上がった。
「えっ…あっ…はいっ…山本春樹です。小学校から通ってるんでほとんど知り合いです!高校からの人はよろしく!」
俺は座る直前にちろっと木田さんを見た。
木田さんは相変わらず相原さんとおしゃべりをしていて、こちらにはあまり関心がないようだった。
俺は少し悲しくなった。
「じゃあ今日はこれで終わるけど、明日から授業などいろいろ始まるし、教科書とか忘れないように。時間割は黒板に書いとくからな。」
そういうと先生は後ろをむいて、プリントを見ながら黒板に書き始めた。
すると数人が立ち上がり何人固まって話始めた。
木田さんと話してみたいな…
でもそう思っても中々行動に移せないのが俺だ…
「はる~今日ごめん一緒に帰る予定だったけど円と一緒に買い物行くことになったぁ。」
カズがへらへらして俺のとこにやってきた。
「みきみきも、今日一人らしいよ~。」
「そうなんだ。」
「何~?ついでだしみきみきと帰れば~?」「考えておく。」
「朝から乗り気じゃないね?考え事?」
「ちげーし。」
「ほ~ら。立ち歩いてるやつ座れ~帰りの挨拶して、今日はおわりだぞ~。」
先生が教卓に手をつきながら呼び掛けた。
「やっべ。じゃあなんかあったらいつでも言えよ。」
そう言ってカズは自分の席に戻って行った。
「じゃあまた明日。」
「さようなら~。」
教室からはぞろぞろと人が出ていった。
木田さんは…?
木田さんは相原さんと一緒に話ながら教室を出ていくところ…
「春樹くん今日一緒に…」
「ごめん今日用事ある。」
未来に話しかけられたが、話を最後まで聞かずに教室を出た。
教室を出た俺は、木田さんを探した。
木田さんは相原さんとおしゃべりしながら階段を降りているところだった。
俺は木田さんを追い掛けた…
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