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「春っ!今日どっか行かね?」
春樹は学校の桜トンネルを、早歩きで歩きながらゆいこを探しているとき、友達の関口に捕まってしまった。
うわっ…ついてねぇー。
「ごめん。俺今日、用事あるから…」
「用事って何ー?俺にも教えてー!」
関口はそういうとがばぁ!っと春樹に後ろから飛び乗った。
「やめろよー!」
「いいじゃんいいじゃん!俺ら夫婦みたいなもんじゃん!」
「夫婦じゃねーー!!」
春樹は必死にじたばたして関口を振り払おうとしたが、腰にしっかり回された足と、首をがっかり締めている腕で動けば動くほど苦しくなった。
「たくっ…校門までだからな…。」
「やたー!春男前!」
「なんでお前いつもやったーがやたーなんだよ…。」
「えっ?なんか言った?」
「なんにも言ってねーし!」
はぁ。これじゃあもう絶対木田さん見付けらんないじゃん…
つーか俺見付けてどーすんだったんだろう?
一人でそんなことを考えていたら、すぐに校門の前まで来た。すぐに関口を振り落とすと、そのまま人気のない道に向かって歩いた。
「春ー!また明日なー!」
最後まで騒がしいヤツ…
「またなー!関口っ!」
そして俺は学校桜トンネルの続きみたいなこの桜並木を駅までの距離歩くわけだが…
俺はこの道が好きじゃない…
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