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「月姫ってなんで姫なんだ?」
「は…?」
夕飯を作る亜人さんと、それを手伝う烏の後ろ姿を眺めていたら
橋本さんが突然俺へと呟いた
正面に座る橋本さんに視線を戻す
真面目な顔してる橋本さんが妙に可笑しい
「いやいや、名前だよ」
「あー…」
「あ、それ僕も気になってた」
言葉の意味がよく理解できなくて首を傾げると
キッチンの方に向いてた橋本さんも俺の方を向いた
キッチンからも亜人さんの声
「だって男で姫だろ?普通使わないだろ」
「つ、ぐ君、食べてい?」
「あ、まだだーめっ」
「いたっ、うー、お腹空い、た」
「運んでから、みんなで食べようね」
目の前の料理からこちらに注意を向けた亜人さんの隙を見計らって
美味しそうに揚がっている唐揚げに烏の手が伸びる
キッチンから聞こえてくる親子の様な会話を
穏やかな顔をして見ている橋本さんが
まるで、お父さんのように見えた
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