出会い

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 桜が散りはじめた頃、この出来損ないの多い高校にも新入生がやって来た。  今年は、去年よりやや人数が増え、40人程入学して来たようだ。  だが毎年、入学してきた人数の3割が進級出来ないか、退学になっている。  さてさて……今年は何割の生徒が残るか―― 「新入生、入場!」  真新しい制服を着て少し緊張した顔色を浮かべながら、規則正しく並べられた椅子の前に新入生達が順番に入って来た。  そんな中に、一際目立つ髪色の少女が入って来た。  この学校では、大して珍しくは無かったのだが、何故か目が離せなかった。  細身の長身で、腰までありそうな栗色の長い髪をなびかせていた。 「生徒会員による、新入生歓迎応援!」  三年前から始まった生徒会とは名ばかりの、荒くれ者共を束ねる為の生徒と先生の中間職の
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