第Ⅰ章 孤独の願い

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「―またボーッとしてる。授業なんて必要ないくせに…」 「―そうそう。万年首席様には、関係ないくせに…」 「…特別だと思いやがって」 聞こえよがしの言葉。 (『特別』、ね) 周りにそう思われていることは知っていた。 自分が一度覚えたら忘れない質で、それが『特別』だと周りが騒ぎたてている。 憧れや皮肉な目線で見る生徒。 過剰な程自分に気を使う教師。 気付いているのだろうか? 自分は努力を知らない、空っぽな人間なのだと。
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