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…どれ程、時間が経ったのだろう?
いつの間にか痛みは和らぎ、頭の中で響いていた高笑いは無くなっていた。
目をゆっくりと開けると、知らない天井が見えた。
起き上がり、周囲を見渡す。状況が掴め無い。
「ここは、どこ?」
古い外国映画や教科書でしか見た事がない、中世ヨーロッパ風の広い部屋。ランプと暖炉の明かりだけで薄暗い。
何故ここに自分がいるのか、分からずにいた。
頭を軽く手で押さえつつ、この状態まで行った経緯を理解しようとした。
(思い出せ。自分が倒れた時を!確か…)
ゆっくりと逆戻りするかのように、思い出す。
(あの時、確かに自分は倒れた、はず。)
そこまでは覚えている。それから…
「…声」
聞こえた。一度聞いたことが、あるから。忘れない。あの時言った言葉は…。
「…『大丈夫』?」
ハッキリと、彼の声が聞こえた。
……背後から。
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