第Ⅱ章 蘇る希望

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一気に言ったので、息が上がっている。 まだ身体の中が熱い。 興奮している。 冷静さを取り戻すために、深呼吸した。 彼は立ち上がり、服に付いた埃を払う。 そして、ニッと笑った。 「第一問、クリア。おめでとう♪」 「…はぁ?」 マヌケな声を上げてしまった。 クリア…?何の? 「声、出てるだろう?」 「…あ、うん」 いつの間に… 「自力で解けるかどうか、試したんだ。これで、ちょいとした魔法防御にもなる」 「ま、魔法…」 聞いたことある言葉だが、実際に使っていることに戸惑いを感じた。 (本当に、異世界に来てしまったんだ) 一瞬、現世界を思い出す。 自分の存在は零に等しい、あの世界。 あそこに居る意味はあるのだろうか…? 「…うりゃっ」 突然、眉間に指を置かれた。 「難しい顔すんな」 押さえられた眉間を自分で擦ってみる。 (怒られた…いや、慰められた…のかな?) 「…うん。ごめん」 素直に謝った。
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