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学校が終わると、2人は言われた通りすぐ家に帰ってきた。 菜月と別れ部屋へ入ると荷物を置いて、呼ばれるまでベッドに横になった。 (…これでまた、私の存在がいらない者へとなっていく――) 目を瞑りながら思う。溜め息をつき寝返りをしようとした所で 「菜摘様…準備が整いましたので支度へとお願いします―――」 清水家に仕える使用人が声を掛けてきたので、菜摘は表情を無くし部屋を出ていった…。 広すぎる程の場所で身を清める。多分、菜月も別の所で同じ事をしているだろう。 上がると使用人たちが待っており用意してある薄桃色の襦袢を着せてもらった。 廊下を歩いていると、身清めを終え薄灰色の襦袢を着て出てきた菜月たちに会った。 『菜摘も終わったんだ。丁度いいじゃん、一緒に行こ』 使用人を下がらせ、2人は【移し身の間】へと足を進める。 『そう言えばさ、今日は‘誰’を移すの?』 『…‘翁’かな。私は基本使わないし、温厚だから負担も少なくて移しやすいと思う』
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