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能力にもそれぞれ名が付いていて、その能力が高ければ高いほど使用者への負担も大きい。
『‘翁’って先読みの能力だよな。俺、受け入れてくれるといいなぁ…』
『名前通りの優しいお爺ちゃんだから大丈夫じゃない?受け入れてくれないとしたら
どれだけ悪さしてるのよ…って感じ?』
『菜摘チャン…;;めっちゃプレッシャーなんで、もうちょっと優しいお言葉を…』
『弱音吐かないでよ…私が困るし!!ま、失敗して攻撃されても骨くらいは拾ってあげるから』
厳しく言うがその後、ギュッと菜月を抱き締め『頑張って…』と真っ赤な
顔をしながら言うと一人スタスタと先に行ってしまった。
『…ツンデレ…?
ハハッ 絶対に頑張らなきゃいけなくなっちゃったな』
菜月は微笑み呟くと、菜摘の後を追って行った。
今までも菜月の調子が良い時に‘力’を移している。
時空を操る力や治癒する力…菜摘の持つ力を次期当主の菜月に一つずつ移していった。
【移し身の間】に着くとお互いの会話をぴたりと止め、真剣な表情で入って行く。
部屋は広くはないが中央の所で2人向かい合って座り…
『じゃ、いくからね』
『おぅ、よろしく』
声を掛け合い移し身を始めた―――。
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