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試練…というより2人の言い合いが続く。自分の想いを一生懸命に 伝えようとお互いが必死になって言葉を繋いでいく。 『力があろうがなかろうが菜摘は俺の片割れで大事な存在。絶対に守ってみせる! それに、先輩や桜だって…みんなが菜摘を必要としてる。要らないなんて俺がそんな事させない!!』 ハァハァ…と肩で呼吸をし、菜月は翁を睨んだ。翁は目を細めながらしばし黙り込む…そして低い声で 翁「その言葉に嘘偽りはないな!?必ず菜摘を清水家から…闇から救い守れ。 それに何を犠牲にしようともじゃ…――」 最後は何やら意味深げに翁は呟くが菜月には聞こえなかった。 翁「試練は終いじゃ。――我‘先読みの翁’は汝‘菜月’を主とし、尽きるまで仕える―――」 そうして契約を結ぶと翁は菜月の中へと消え、菜月も緊張の糸が切れたのか意識が薄らいでいった……。
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