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どれ位の時間が過ぎたのだろうか…翳していた菜摘の手から光が消え 菜月の身体がグラッと傾いたのを見てすぐに支えた。 『菜月お疲れ様…ッたく遅くて心配したんだから。この借りは倍返しなんだからねッ! とりあえず………戒(カイ)』 呼ぶと菜摘の側にスッと漆黒の男が現れた。 『菜月を部屋に運んで』 戒「…御意」 菜月を抱えて消え気配がなくなったのを確認し、菜摘もゆっくりと立ち上がった。 ――が、菜摘もかなりの力を使ったためか足どりは覚束なく呼吸も荒い…。 【移し身の間】から出た途端にフラッと倒れ出してしまった。 …トサッと誰かにぶつかり、虚ろながらも相手を確認すると 『菖蒲先輩…!どうして此処に……』 菖「ん?今日、移し身をするって聞いたから。様子を見に来て良かったよ」 よいしょっと声を出し菜摘を抱きかかえる。菜摘は恥ずか しかったが抵抗できる力もなくぐったりして身を任せた。 菖「菜月も大事だけど、菜摘も同じく大事なんだよ。今は眠って休むといい…」 菜摘は苦笑した後、目を閉じそのまま眠ってしまった。 菖「俺は菜月よりも菜摘の方が必要なんだよ…    ・・・・    華王にもね―……(笑)」 そう菖蒲が呟くも誰もいないその場は静寂へと包まれ、ただただ夜が更けていくばかりだった……。
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