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『何……見えたの…?』 『大丈夫だよ!ちょっとした肩慣らし?みたいな感じで心配いらないよ』 不安そうな顔で聞いてきた菜摘に笑顔で返し、涙を手で拭ってやる。 『あ、そんなに心配なら菜摘チャンの力で俺を癒やしてくれたら嬉しいな~??(笑)』 意地悪く言いながら覗いて見ると、真っ赤な顔をして反応する菜摘を見てクスッと笑った。 『…今日だけは特別よ』 そうして2人は目を瞑り、癒やし…という名のキスをした。 ‘力’は自分自身に使うことができないため、菜月は自分を治癒する事ができない…。 本来は菜摘が持っていた能力で、菜月の身体を治すために使っていたのだが 『怪我をするのは明らかに菜摘の方が多い!!俺を守って負った怪我を治すのは俺の責任だ!』 …と菜月にしつこく付き纏われて、苦渋の決断で移したのだった。 治癒には及ばないが癒やしで良くする事はできる。相手を想うからこそ、発揮できるのだ。 お互いの唇が離れると、癒やしの力もあってか菜月の顔色も大分良くなっていた。 『…これってさ、周りから見たら禁断の双子愛…だよね~(笑)』 『手を翳すだけでもできるのに菜月がコレじゃないとイヤって言ったんじゃない… 顔色も良くなったし、冗談も言えるんだから大丈夫ね!?まだ寝てなさいよ!?』
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