‐1‐

4/12
前へ
/320ページ
次へ
菜月は身長も高く容姿端麗、運動も勉学も常に上位。さらには生徒会長まで務めており ファンクラブまであるとかないとか…一方の菜摘だって負けていない。(本人は気づいていないが) 身長は普通だが目がくりっと大きく、髪は肩より長く少し焦げ茶色。 又、菜月と同じく文武共にトップ。そんな羨ましい限りの双子を他の生徒が黙って見ている ワケがない…。2人が歩けば常に周りから歓喜の声が溢れ、気絶する子もい れば、鼻血をだす子…とにかくモテるし、憧れの存在なのだ。 (ま、菜摘に近づこうとするヤツは片っ端から俺が排除してってるんだけどね…) 『それに――… みんな私の事、上辺だけしか見てない………。 勉強と運動がちょっとできるだけで…それに、会長の妹ってだけでみんなヘコヘコしちゃってさ』 目を細くし、吐き捨てるように嫌悪感むき出しで菜摘は言った。 菜月や菜摘は表向きは至って普通の家庭で、ただの双子で通っている。 だが、実際の清水家は‘暗殺’‘警護’など裏では名の通った一族なのだ。 しかもただの一族ではなく、世間ではほぼ信じられていない‘能力’を持つ者たち…。 依頼があれば政治だろうが極道だろうが、どんなものでもこなしてきた。
/320ページ

最初のコメントを投稿しよう!

612人が本棚に入れています
本棚に追加