1 寂しげな瞳

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 美咲にとってこうした形で人と会うのは、かれこれ四人目であった。  出会いのきっかけは毎回自殺系サイト。  最初に会った中年男性は、いかにもって感じの人だった。二番目に会ったのは美咲より三つ歳上の二十歳の女性。付き合っていた彼氏にダマされ、数百万の借金を抱えていて、やたら愚痴ばかり聞かされた。三番目に会ったのは母親位の歳の女性。やたらテンションの高い人だった。  それぞれ年齢も人柄もバラバラだったけど、ただ一つ共通しているのは、美咲も含め絶望なオーラを出していた。  ただ…目的を達する事は出来なかった。いざとなると尻込みしてしまうのであった。  そうして美咲は四人目、森下拓也と出会ったのである。彼は白のワンボックスカーで来た。なかなかのハンサムで年齢は三十二歳だと言う。  美咲は助手席に乗り、二人であてもなくドライブに出た。  拓也は口数の少ない人であった。仕方なく美咲は自分から話し始めた。 「パパは私が五歳の時に事故で死んじゃって。そして私が中二の時、ママはいきなり再婚するって言い出したの。最初は物凄くいい人だったから、すっかりダマされてさ、あいつに。」  美咲は拓也に断ってから煙草に火を点けた。 「高校に入ってすぐ、私あいつにレイプされたの…」  美咲の告白にも拓也は表情を変えなかった。 「お母さんに話さなかったのか?」  美咲は首を振る。 「言えなかった。だって、あいつママの前ではすごく優しい男を演じてたし、ママ…幸せそうだったから。」  美咲の煙草を持つ手が震えている事に拓也は気付いた。
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