8 死に急ぐ、君達へ

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 徐々に視界から明るさが消えていく。深くなるにつれ、太陽の明かりは届かなくなり拓也の意識は失われていくのであった。拓也の体力はすでに限界を迎えていたのであった。苦しさはなかった。ゆっくりと深い眠りにつく様な感覚であった。この感覚には覚えがあった。そう、練炭で自殺をはかった時と同じ感覚であった。体力だけでなく思考さえも限界を迎えた拓也はただただ深い闇の中へと沈みゆくだけであった。  どれ位の時間が過ぎたのであろう。暗闇の中からぼんやりと明るさを感じた。それはどんどん明るくなっていき、まぶしさを感じる位にまでなった。そしてまぶしさが頂点に達した時、視界が開けたのであった。 ―死んだのか?助かったのか?―  拓也は周囲を見渡した。  拓也は自分が布団の中にいる事に気付いた。 ―ここはどこなんだ?―  そう思った時、一人の同世代位の男性が視界に映った。 「森下さん、気が付きましたか?」  その男性は笑顔をみせた。 「ここは?」 「県立総合病院です。」 「総合病院?海軍病院ではないのか?」 「ん?今、何病院と言いました。」  拓也はそれに答えず、ガバっと上半身を起こした。 「森下さん、落ち着いて下さい。」
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