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悪夢と獏
少年の背中から蟲の様なものでできた羽や歯車が飛び出す。
それは、悪夢という病気でそれにかかったものは目覚めることがなくなってしまうという。
それを治せるのは、獏と呼ばれる夢喰い士だけであり、現代医療で回復する見込みは0%に近かった。
少年のもとに一人の少女が現れる。
雨の雫をあしらった刺青のような痣が目の下に目立つ。
彼女はとても細く、肌は透き通るような白い肌だった。
彼女は、獏だった。
「僕の悪夢を治してくれるの?」
「治してあげるよ、大丈夫。」
少女は少年の背中に生えた歯車に触れる。
それに反射するように少年は痛みを感じるように疼くまる。
「……あれ、おかしいな?」
少女は戸惑った。
普通の悪夢なら、そのまま悪夢だけを抽出し解消することが出来る。
しかし、少年は触れた瞬間に痛みを感じた。
何故なのか、少女は理解できなかった。
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