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「いや!!」
周りを見渡して、それが夢であったことに気付かされた。
最悪だ。
起き上がった体を再びベットに預けて低い天井を仰いだ。
何故、こんな夢を?
昨日のアルバムのせいだ。
過去は捨てたはずなのに。
それに私は悪くない。
何も悪くない。
不快な汗を流す為に私はバスルームに向かった。
シャワーを終えるとリビングには、母の姿があった。
「おはよう」
「おはよ」
目を合わせもせず、ただ無機質な挨拶が交わされた。
お互いに口を開くことはなく、母が立ち上がった。
「トイレに行くわね」
トイレ?
本当にトイレなのか?
私は大きく溜め息をついて、私は二階へ上がった。
制服に着替え、降りると母の姿はなかった。
すいぶん長いトイレだ。
「いってきます」
誰も居ない廊下に私の声だけが虚しく響いた。
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