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「ばっかじゃないの。」
突然、黙って話を聞いていた千夏ちゃんが口を開いた。
「あんたお姉ちゃんの事なんか何も知らない癖に、知ったような口ばっか訊いて。」
千夏ちゃんは醜いものでも見るかの様な目で俺を見てる。
怒ってるのか?
俺、何か気に障る事でも言ったかな…
と、自分の言葉をよく思い出してみる。
その時、横に座っていた渚さんが立ち上がって千夏ちゃんを睨みつけて声を上げた。
「千夏!」
いつもの雰囲気からは予想できない程、声を荒らげる渚さんに俺は驚いて言葉を失った。
「何?ちょっと優しくすれば惚れるとか思ってんの?ホント、バッカじゃないの!」
千夏ちゃんは渚さんの気迫に負けまいと、より一双声を上げる。
「男なんてみんなそう!あんたみたいに優しい顔して近づいて、でも心の中じゃ下心ばっかり!」
千夏ちゃん、一体どうしたんだ?
機嫌が悪いにしてもちょっといつもと様子が違う。
「止めなさい千夏!」
渚さんが千夏ちゃんの方へ近づいてく。
そろそろ止めた方がよさそうだな…。
「二人共、ちょっと落ち着いて…」
俺は腰を上げる途中、大声で千夏ちゃんが叫んだ。
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