0人が本棚に入れています
本棚に追加
「渚さん。俺は良いですから。」
俺は渚さんの肩に手を当てようとした。
その時だった。
「なによ…」
漸く千夏ちゃんが口を開いた。
少し泣き声な気がする。
状況は最悪だ。
千夏ちゃん気が動転してる。
このままじゃ二人とも大喧嘩になる…。
たぶん、原因は俺のせいだ。
詳しい理由は分からないけど、俺のせいでいつも仲が良かった二人が喧嘩するなんて見たくない。
なんとかしないと。
「渚さん…俺は別に気にしてないですから。」
「ダメです!そうやって拓海さんが甘やかすから、この子も調子に乗って言ってはいけないことまで!」
ダメだ…全然、聞く耳もたない…。
「千夏ちゃんも…ほら、俺が悪いなら謝るから。取り敢えず座って。」
俺は千夏ちゃんの肩に触れようとした。
「触らないで!」
あまりの千夏ちゃんの拒絶に俺は硬直してしまった。
正直、今まで散々、酷い扱いを受けてきたけど…流石にこれだけ拒絶されると、少しへこむな…。
「千夏!」
しまった!今ので余計、渚さんの火に油を注いだみたいだ。
「なによ…なによ!なによ!なによ!」
千夏ちゃん…もう隠しきれない程、涙を流してる…。
もうどうしていいのか分からない。
最初のコメントを投稿しよう!