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どうしたんだろう?
この様子からして、さっきよりは落ち着きを取り戻したように見えるけど。
「私…何てことを…妹を叩くなんて…」
そう言った瞬間、崩れる様に渚さんはその場に腰を着いた。
「渚さん!」
俺は慌てて渚さんを支えた。
体中の力が抜けてる。
目には涙が溜まっていた。
「私…どうしよう…千夏が…」
千夏ちゃんが出て行ったことで、怒りは収まったみたいだけど…完全に動揺してる。
「どうしよう拓海さん!私…千夏に酷いことを!」
縋る様に渚さんが俺に泣きついてくる。
小さい肩を震わせて…今にも壊れてしまいそうだ…。
今、渚さんを支えてあげられるのは俺だけだ。
俺がしっかりしないと。
「大丈夫。大丈夫だから落ち着いて下さい渚さん。」
俺は優しく彼女の頭をなで静かな声で語りかけた。
「拓海…さん…」
泣きながらではあるけど、渚さんの声が少しだけ落ち着いた。
「外は暗くて探すのは大変です。
明かりを持ってきて二人で探しに行きましょう。
話はその後でちゃんとすればいい。
きっと千夏ちゃんも突然のことで気が動転してるだけです。
落ち着いて話せば大丈夫ですよ。」
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