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『あなたと、ともに。』
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彼女とは、十二年前に恋人の関係に終止符を打った。
幼い二人にはささやかな恋しかできなかった。手を繋ぐだけでも緊張し、目を合わせるだけで顔は赤く染まった。切なく、淡い、恋だった。
そして二人は、それぞれの道を歩み始めた。またそれも運命だろう。受け入れる覚悟。何より時間が僕の傷んだ心を癒した。
また二人が出逢うのも、何かの運命として受け入れる、その覚悟、準備はなかった。
運命の線が交わるき。
二人、線の色は、決して鮮やかではなかった。
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